関係各位
2026年2月20日
株式会社EVモーターズ・ジャパン
当社EVバスの総点検実施状況および安全性強化に向けた再発防止策と
経営体制の刷新について(中間報告)
株式会社 EV モーターズ・ジャパン(本社:福岡県北九州市、以下「当社」)は、当社が販売したEVバスの一部における不具合に関し、総点検の結果とその対応状況、リコール・改善措置、再発防止策、および経営体制の刷新について、現時点での取りまとめた内容を中間報告としてお知らせいたします。
本件に関し、車両をご利用のお客様、運行事業者様、ならびに地域社会の皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。
当社は、総点検における重点是正項目の対処、リコール対応など、安全上の確認とお客様へのご説明を最優先に取り組むとともに、再発防止策の策定等を進めてまいりましたので、このタイミングをもちまして中間報告をさせて頂くことといたしました。また、報道やSNSを通じて寄せられた疑念やご不安に関しましても、上記内容と合わせてご説明をさせていただきます。
なお、2025年9月1日に発生した大阪市内での事故については、第三者機関にもご協力をいただきながら実施している調査が継続中であり、結論が得られ次第、速やかにご報告いたします。
― 記 ―
- 総点検の実施結果と対応状況について
2025年9月5日の国土交通省による指示を踏まえ、国内のお客様に納入した計317台(45企業・団体)のEVバスを対象に総点検を実施いたしました。
- 点検結果:
113台において不具合(乗降口ドアのゴム部の欠落やエアコンエラー等を含む)を確認
- 重点是正項目:
点検結果を受けて安全運行の根幹に関わる「ブレーキホースの損傷および接触」を最優先事項として対処することとしました。
- 対応状況:
対象車両については速やかに部品交換および整備を実施し、不具合を解消した旨運行事業者様へのご説明のうえ、運行事業者様のご判断のもと順次運行が再開されております。なお、大阪にて待機中の大阪・関西万博で使用バスは、お客様と必要な対応について協議しております。当社といたしましては、お客様の今後の運行計画に基づく運行準備について引き続きご支援を行う所存です。
- リコール届出および改善措置の完了
WISDOM製6.99mコミュニティバス(F8 series4-Mini Bus)における不具合事項は、総点検の結果を受けて、直ちに部品交換および整備等による取り付け位置の調整や接触の可能性がある部分に保護部材を取り付けるなどの措置を講じ、お客様による車両運行前点検や定期点検といった通常の点検を実施することで安全性の問題はない状態といたしました。しかしながら、一部のお客様より「ブレーキホースの交換方法が分かりにくくホースの適正な取り付けが出来ない」「必要な治具がない」等のご指摘がありました。こうしたご指摘を踏まえて、定期的な点検を実施したとしても、ブレーキホースの取り付け時に生じたねじれが使用過程で元に戻ろうとする寄り戻りなどが将来的に発生する可能性があることについて設計検討の不十分による設計不良と判断し、6.99mコミュニティバスのブレーキホースの取り付けに関して、取り回しの設計を抜本的に変更したうえで、「自動車リコール制度」を活用することで早期対応を図ることといたしました。当社は、以下の通りリコールを届け出し、対応作業を完了しております。
- 届出日 : 2025年11月28日(自動車リコール届出済)
- 内容 : 対象全85台のブレーキホース一式を対策品へ交換
- 完了時期 : 2026年1月末をもって全車両の作業を完了しております
- 再発防止策
不具合の長期化や管理不足を厳粛に受け止め、これまでに以下の再発防止策を実施いたしました。
- 出荷までの品質管理体制の強化
過去の不具合を踏まえ、製造委託先および当社工場双方で実施していたPDI検査(出荷前検査)を抜本的に見直しました。従来は、製造委託先と当社の検査項目に相違があったため、当社としては製造委託先にて確認がなされるべきと考えていた事項について検査漏れが発生する可能性がありました。また、当社において製造委託先でのPDI検査について立会検査を義務付けていないなどの課題がありました。これらの課題に対応するため、以下の取り組みを実行いたしました。
- 品質管理基準の強化:
当社が重視する検査項目と基準を明確にするとともに新たに追加・策定した基準に基づき、製造委託先において今後出荷される車両での検査・確認を進めることで、当社基準の厳格化を図り車両品質の向上と維持に努めてまいります。
- 製造委託先での立会検査の義務化:
製造委託先でのPDI検査に、当社品質管理部門の役職者が必ず立ち会い、当社が定めた基準に合格した車両のみを出荷可能とする体制へ移行しました。引き続き、責任を持って車両提供を進めてまいります。
- 過去不具合を踏まえた追加検査の導入:
当社工場でのPDI検査と製造委託先でのPDI検査の両方において、過去に市場で発生した 不具合項目を新たに検査項目へ追加し、改善状況の確認を徹底しております。また、当社において、カスタマーサービス部門と連携した会議体を設け、定期的に不具合の対応状況の把握に努め、それを踏まえたPDI出荷項目の見直しと出荷前確認を行ってまいります。直近に発生した不具合事象にも適応し、車両品質の向上を図り、維持してまいります。
- 製造委託先への工程内品質監査の実施:
製造委託先の品質体制を適切に維持するため、必要に応じて当社担当者による立入検査(工程内品質統合検査)を実施することといたしました。これまでに発生した製造過程における製造不良の改善内容が適正に改善されていることを確認し、製造のばらつきを抑制してまいります。
- 出荷後の品質管理体制の強化
車両使用時に不具合が発生した際には原因究明・部品調達に時間を要すことや整備マニュアル等の整備が追いついていないこと、特に従来のエンジン車とは異なるEV車両の特性や情報が上手く伝達できていないことなどの要因も重なり不具合改善に時間がかかり、お客様へ多大なるご不便をおかけいたしました。これらの課題に対応するため、以下の取り組みを進めております。
- 不具合発生時の指揮統制の一元化:
アフターサービスを担うカスタマーサービス部門の体制見直しを図り、全ての不具合情報を横断的に把握し、解決を指揮する「テクニカルサポートグループ」を設置いたしました。車両不具合に関する情報を集約させ、社内横断型で指揮を執り、不具合に対する根本原因の早期解決を目指し、以後に開発・製造される新しい車両に同様の不具合が発生しないよう徹底してまいります。
- 情報発信およびコミュニケーションの強化:
EVは電気制御が主体であり、過去に発生した不具合事象には従来のエンジンバスとは異なる電気的なエラーがあり、また、操作上のトラブルが発生し易いという特性があります。車両を活用する上で当社が想定していなかった事象や取扱説明書に記載のない操作手順による事象が発生した場合に「テクニカルレポート」として提供し、また日常点検や注意事項を「インフォメーションレポート」にまとめて、運行事業者様にお届けすることといたしました。これらの充実を図ることにより、メンテナンス不備による停止リスクや誤操作が生じるリスクを減らし、安全で安定した車両運行を支援してまいります。また、各レポートの発信や日々のご訪問およびメンテナンス対応を通じて当社から積極的に各種情報を発信することでお客様との密な連携やコミュニケーション強化を進めてまいります。
- サポート体制の強化:
当社では、アフターサービスに係る活動内容の見直しを継続的に進めてまいります。例えば、整備マニュアル等の策定や不具合が発生した場合における対応を速やかに実施するための社内システム構築を進めております。これにより、不具合の改善に係る時間の短縮を図り、車両を安全にご使用いただくためのサポート体制を充実させてまいります。
- 大阪市内で発生した事故への対応について
2025年9月1日に発生したE1乗合バスの事故については、メディア各社の報道で運転手様が左に操舵したにも関わらず、車両が右に進行し中央分離帯に接触した状況が伝えられております。本件につきましては、運転手様をはじめ皆さまにご不安とご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます。当社は事故後直ちに車両ログの解析、関係者ヒアリング、現地条件を再現した試験、運転操作の要因分析など、多方面から原因究明を進め、現在は車両運行について専門性を有する第三者機関にもご協力を頂きながら調査を継続しております。特にESC機能(横滑り防止機能)と操作性について、走行環境等による様々な影響が及ぼす可能性を考慮した条件の組み合わせをつぶさに検証し、詳細な分析を進めております。考え得る条件の組み合わせが多数存在するため、原因の最終結論を得るまで時間を要しており、E1乗合バス車両の運行は全て停止されております。結果が得られ次第、必要な対応措置や恒久対策を講じてまいります。
- 拡散されている誤情報について
SNS等を中心に、一部誤った情報が出回っていることを把握しております。以下の通り実態をご説明させて頂きます。
- 独自技術の秘匿:
「当社のアクティブ・インバータは中国製品を購入しているだけではないか」という情報が拡散されております。当社はインバータ本体の製造業務を製造委託先に委託しておりますが、委託製造されているインバータの中の車両性能・安全性の中核を担う要素技術(制御思想・回路概念・構造設計の根幹部分)については当社の独自技術を搭載しております。会社設立当初に採用していた製造委託先は、将来的な車両導入数の増台への対応が難しかったため、機能改善や量産体制を整えるために製造委託先を変更したことはありますが、現状のアクティブ・インバータも当社の独自技術を搭載しているものであり、インバータの単体試験やUN-R認証(国連欧州経済委員会(UNECE)が策定している自動車の安全性・環境性・電磁適合性などの国際基準群たるUN-R規則に基づく認証)の取得等による性能を評価したうえで車両搭載を実現しております。なお、当社のアクティブ・インバータの核心部分は模倣を許さない設計思想そのものであり、これを公開することはかえって競争力を損なう可能性がある観点から、知財戦略の一貫として営業秘密(ノウハウ)として技術を守ることを基本方針としております。
- 安全性の担保:
当社が販売する車両は、日本の保安基準およびUN-R規則に則り導入・登録されています。UN-R規則に関しては、乗用車のみならずバスやトラックまで幅広く適用されており、国際的に基準を統一することで、輸出入車の安全性について整合を図るものです。日本においてもこれが正式に採用されており、国内の保安基準と整合して適用されている認証であります。当社では、車両開発や法規制の変更等が発生した際には、UN-R認証の再取得や保安基準への適合性について確認を行うことで、安全性を担保しております。また、不具合等が発生することにより安全性の懸念が生じた場合には、直ちに原因と対策を講じ、速やかに車両改修を実施することでその後も安全に車両をご活用いただけるよう努めております。
- 経営体制の刷新および代表取締役の交代
この度発生いたしました一連の車両不具合と、お客様ならびに社会の皆さまに多大なるご心配をおかけした経営責任を重く受け止め、経営体制の刷新および代表取締役の交代を実施いたします。
2026年2月28日付で、現 代表取締役 佐藤裕之が退任し、2026年3月1日付で、現 取締役副社長 角英信が代表取締役に就任いたします。正式なお知らせは、新たな経営体制の目途が立った段階で、改めてご報告いたします。
- 新体制における経営方針と国内生産への展望
当社は現在、海外の製造委託先に製造を委託し並行輸入によって車両を提供しておりますが、今回の事象により、品質管理およびアフターサービスにおける多くの課題が浮き彫りとなりました。これらの課題に対し、今後の開発および新規車両の十分なテスト期間を設けるなど、製造プロセスについてより深く向き合い車両評価や性能確認を実行する社内風土を構築するとともに、経営面では、社外役員の関与のもとに新たに設置する「安全推進委員会」による厳格なガバナンス体制を整えてまいります。現行の並行輸入スキームから、国内一部製造、そして完全な国内生産へと段階的に移行する計画を具体化させ、「日本国内での商用EV製造」という目標を加速させるべく、体制を刷新させることで日本の基準に真に適合した「日本品質のEV」を提供できる体制を構築してまいります。
現在も調査を継続している未了項目につきましては、最終結果を確認次第、改めてご報告いたします。 改善が必要な箇所については確実に実装し、お客様の安心安全の継続と信頼の再構築に努めてまいります。引き続き、皆さまからのご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
以上
お問合せ先:
株式会社EVモーターズ・ジャパン
オフィサー支援Dept. 広報
TEL:093-752-2477
E-mail:public_rel@evm-j.com